GM崩壊と株価の行方

米国のジェネラルモーターズ(GM)に対して、監査法人から「継続企業に疑念が持たれる」との報告書が出されたという。しかし、GMはとっくの昔に 債務超過に陥っており、直近の赤字も日本円で3兆円を超し、累積赤字は8兆円を超えている。こんな企業に今さら「継続企業に疑念が持たれる」とは間の抜け た監査報告であり、一体今まで監査法人は何を指摘してきたのかと言いたい。そして、こんな報告書で株価がさらに下落するのもおかしな話で、とっくに株価に 折込済みだと思うのだが、まだまだ下落余力があるらしい。それはそうだろう。債務超過が巨額なら、株価はマイナスと言うことであり、1株1ドルという株価 もまだまだ割高ということになる。

さて、こんな企業にオバマ大統領はどこまで付き合う気なのだろうか?会社が利益を出している時は超高額な役員報酬を取り、余った利益を殆ど配当して しまう。労働組合はどんどん強くなり、将来の退職金(負の財産)を積みます。GMの没落はアメリカ流の短絡的な快楽主義がもたらした結末である。アメリカ はイソップ物語の「蟻とキリギリス」のキリギリスなのである。今、キリギリス(アメリカ)は蟻(日本)に助けを求めているが、それはお願いではなく、政治 的軍事的圧力をかけてくるから、むしろ強制または命令である。今後、日本経済にも多額な負担と痛みを与えることになるだろう。

さて、GMはつぶれるいやすでにつぶれているとすると、政府の支援にも限界があろう。これを続けていくと、一企業の経営失敗のつけを国民やほかの優 良企業が被ることになる。こんなことはいつまでも続くわけはない。というわけで、いかなる痛みを伴おうともGMは破産法の適用を受けるべきである。それが 自由主義資本経済の必然的論理的帰結である。

GMは破産する。このことを前提に置くと、最近のアメリカ経済の没落はまだ始まったばかりでほんの序章に似すぎないのではないかと思われる。米国の 自動車産業に従事する労働者(250万人という)や、関連企業は軒並み破綻するわけだから、その傷口はますます広がり、アメリカ経済は出口のないリセッ ションに陥り、世界恐慌となるやも知れぬ。

当然、日本の株価もアメリカのあおりを受け、まだまだ下がるだろう。自動車株や銀行株も下がるだろう。しかし、中長期的に見ると、日本企業はアメリ カほど弱くないと思われる。それは、アメリカ企業と違い内部留保が厚いからである。日本企業は配当率が低く役員報酬も低いと批判されてきたが、むしろこの ことが日本を救うことになる。トヨタは直近4000億円もの赤字を出したが、トヨタの資本蓄積は分厚く、今後30年同額の赤字が続いてもつぶれないといわ れている。すでに日本円で8兆円以上の赤字を抱えているGMとは中身がまるで違うわけである。まさに「乞食と王様」である。

したがって、日本株の将来は意外に明るいと考えられる。短期的な下落の後、底堅く推移したあと、かならず上昇してくるであろう。世界的な企業再編が起こったその時に、体力が十分温存されている日本企業が一番早く復活してくると考えられるからだ。

日本株は短期的には様子見だが、中長期的には買いということになるのだろう。ただし、「デイトレーダーのマッスンにはかかわりのないことでござんす」。

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